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「ダムの後」を考えよう
10月も下旬になり、朝晩の冷え込みがきつくなってきました。
日光の紅葉が真っ盛りのようですが、鹿沼ではもう少し先でしょうか。

さて、今回はダム問題を再度取り上げてみます。
10月23日の下野新聞」に、「ハーベスト、厳しい状況」という記事が掲載されています。
同記事によると、
「佐藤信市長は21日夜、南摩コミュニティーセンターで開かれた同地区住民との車座集会で、
南摩ダム(思川開発)見直しに伴い、整備の行方が注目される「ハーベストセンター」(仮称)について
「(実現は)非常に難しい、厳しい状況だ」との見方を示した。
同センターは南摩ダム建設に伴う水没地区移転者の雇用などのため、下流権の財政支援を受け
建設を予定する施設。
佐藤市長は下流圏が6割以上を負担する仕組みを説明した上で、
「ダム本体が中止なら、下流圏が負担するとの理屈も成り立たない」とした。」

とあります。

ハーベストセンターについては、以前の記事「ハーベストセンターって何?」で取り上げたことがありますが、
グリーンツーリズムの拠点になる観光・交流施設です。
佐藤市長は、市長選の公約でこの施設について「ゼロベースの見直し」を表明していましたが、
当選後は、「見直しはするが、事業は実施する」に後退し、
見直し内容について検討を進めているようでした。
当ブログでは、ハーベストセンターそのものについて、否定的な見解ですので、
佐藤市長の後退姿勢は、とても残念なことと思っていました。

しかし、政権交代による国の政策転換表明によって、
南摩ダム(および思川開発全体)が中止される可能性が出てきたため、
佐藤市長も、ようやくダム関連事業の見直しに言及してきたようです。
ちなみにダム工事については、10月22日の「下野新聞」によると、
「思川開発の導水路工事入札を延期 水資源機構
 国土交通省が鹿沼市の思川開発(南摩ダム)など全国の6事業を本年度中は凍結したことを受け、
独立行政法人水資源機構は22日までに、南摩ダムの導水路建設工事を当面延期することを決めた。
工事は5月に公告され、11月24日に開札される予定だった。
思川開発は思川支流の南摩川に建設するダムと、並行して流れる大芦川、黒川を地下導水路で結ぶ事業。
同機構によると、入札延期となるのは総延長13キロのトンネル、取水口、立て坑など
導水路に関係する一切の工事が対象となる。
 思川開発は現在、川の水を迂回させる「転流工」の工事が進行中。
導水路建設は本体工事の関連工事に当たる。ダム事業の見直しを掲げる前原誠司国交相は
「本年度は新たな段階に入る工事は行わない」としていた。」

とあるように、本年度内の工事は凍結されました。

このように、南摩ダムおよび思川事業は、中止に追い込むための千載一遇のチャンスを迎えました。
ですが、中止が正式に決定されたわけではありません。
ダムを推進したい勢力の反撃も始まっています。
たとえば、福田富一知事は10月15日の定例記者会見で
「治水、利水の面から南摩ダムは必要」と従来の考えをあらためて示すとともに、
中止になった場合の対応について「国の責任で代案を出すべきだ」と述べた。
 南摩ダムの地元の佐藤信鹿沼市長が利水で参画しているにもかかわらず
「ダムの水を使うつもりはない」と記者会見で発言していることについて、
知事は「埼玉県では水が必要だと言っている。
本県だけで(ダム建設の是非を)決められないことなので、
流域圏全体で判断する必要がある」とした。
」(「下野新聞」10月16日)

これに対して、民主党県連は
「19日夜、宇都宮市内で緊急幹事会を開き、
本県に関係する八ツ場、南摩(思川開発)、霞ケ浦導水の3事業について、
前原誠司国土交通相が示した中止の方向性を県連として容認する考えをまとめた。
本体工事に着工した湯西川ダムは「国の方向性がはっきりしていない」(佐藤栄県連幹事長)として、
来月にも現地調査を行い地元の意見を聴いた上で判断することを確認した。 」
(「下野新聞」10月20日)
というように、中止を受け入れる方針のようです。

今のところ、マスコミ報道は、中止を表明した民主党政権 VS 地元自治体 
といった対立図式をあおることばかりが目立ち、
なぜ今ダム事業見直しなのか?という肝心なところが、二の次にされているような気がします。
ですが、ここは「見直し」という命題を与えられたわけですから、
原点に返って、なぜダムをつくる必要があるのか?
その理由は正当なのか?
中止にした場合、何が必要なのか?
といったことについて、徹底的に検証することが必要だと思います。
「国の責任で代案を出せ」(福田知事)などという前に、
知事はダム推進の理由をデータを示して説明する責任があると思います。
計画開始から40年も50年も経過しているにもかかわらず
完成していない事業なのですから、「それでも必要」ということを
誰でも理解でいるように説明する責任があるのは、推進してきた側の責任です。

なお、何度も書きますが、この問題の最大の被害者は、
ダム建設によって故郷を奪われた住民です。
中止しても彼らの故郷が、昔のとおりになるわけではありませんが、
それらを生かした形で故郷を再建する方策について、広く考えてみる必要があります。
皆さんのご意見もお待ちしています。

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【2009/10/25 17:58 】 | ダム問題 | コメント(3) | トラックバック(0)
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コメント
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【2009/10/28 18:21】| | # [ 編集 ]
No title
>今のところ、マスコミ報道は、中止を表明した民主党政権 VS 地元自治体 
>といった対立図式をあおることばかりが目立ち、
>なぜ今ダム事業見直しなのか?という肝心なところが、二の次にされているような気がします。

私もそう思います。地元の人に対してのケアは、
ダム問題にとって本質的なものではなく、
また、客観的に十分なものであれば足りるはずなのに、
日和見なマスコミがずさんな報道しててうんざりです。
【2009/11/01 19:02】| URL | JITTA #- [ 編集 ]
JITTAさんへ
レス遅くなりまして申し訳ありません。
マスコミ報道が、事の本質を掘り下げるのではなく、
興味本位な取り上げ方に傾きがちなのは困ったものです。
特にテレビは酷い。
【2009/11/09 18:35】| URL | 佐渡ケ島 #- [ 編集 ]
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